鬼メンタル
パワハラとは！？
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「あいつを絶対に辞めさせてやる！」
そう言ったには、前の職場の上司だった。
まだ10代の新人職員に対しての言葉だった。
そんな新人に定年間近のいい大人が、俺の目の前でパワハラを始めたんだ。
確かにその新人は、そう言われるだけの理由はいくつかある。
タバコを吸っている時間が長い。
始業ギリギリに出社してくる。
理解したふりをする。
などね！
でも、そんなもん俺も若い頃そんな感じだったし、ハッキリと辞めさせるようなパワハラを受けた覚えもない。
他の職員は自己保身のために見て見ぬふりをしている。
ある夏の日、元気がなくなってしまっている彼に聞いてみたんだ。
「大丈夫か？」と。
「大丈夫です」と答える彼は、既に大丈夫ではなかった。
夏季休暇明けから彼は出社したり休んだりと波が激しくなってきた。
そんなある時、彼の父親から俺の携帯に電話が来た。
「息子が職場でパワハラを受けているのは本当ですか？」
俺は見て見ぬふりをどうしてもできないから、正直にパワハラを受けていることを教えた。
本人はそれでも学校の同級生が他部署に所属しているこの会社に居続けたいとのことだった。
それならば、パワハラがあったことの証人になるし、
本社の人事部長にも話をしておくことを伝えた。
ものすごく親父さんには感謝されたが、今にして思えば、本人に必要な環境ではないことをこのような事実で教えてくれていたんだと思う。
そして俺にも、もうこの会社に残る価値がないことも教えてくれていたんだ。
結局、彼は数週間後に退職し、俺はそれから3年後に退職したわけだが、
全くもって後悔はない。
パワハラも解決されず、結局その上司も何事もなかったように定年退職をした。
なんともやるせない話だよね！
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